膠原病治療でのステロイド剤と免疫抑制剤の副作用は？

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　膠原病治療で使われるステロイド剤と免疫抑制剤には、副作用があるのでしょうか。

　膠原病と診断された場合、治療の第一選択として副腎皮質ホルモン（ステロイド）が選ばれます。

　副腎皮質ホルモンは炎症を抑えたり、免疫を抑制する効果が高く治療にとって欠かせない薬であり、この薬によって膠原病全体の5年生存率は飛躍的にあがりました。

　基本的には、内服薬として使用し、症状が重い場合や内服では十分に効果がない場合にパルス療法と呼ばれる点滴療法が行なわれます。

　しかし、効果が高いゆえに副作用にもさまざまなものがあります。

　膠原病は、現在のところ完治が難しく生涯つきあっていかなくてはならない病です。
　そのため、ステロイド剤も長期間服用することになります。

　副作用では、大量投与した場合には、易感染性、糖尿病、胃潰瘍、ムーンフェイス、精神症状などが現われやすいとされています。

　また、長期投与した場合には、副腎機能の低下、骨粗鬆症、脂質異常症、高血圧、筋力　低下、白内障、緑内障などが現われやすいとされています。

　長期間服用すると副腎の機能が落ちるため、症状が落ち着いても急にステロイド剤を止めることはできません。

　これらの副作用を抑えるために、現在では膠原病の治療はステロイド剤と免疫抑制剤を組み合わせることが主流になっています。

　最初はステロイド剤を補完する目的で使われ始めた免疫抑制剤ですが、治療効果の高いことから幅広く利用されるようになりました。

　免疫抑制剤はその名の通り、免疫にかかわる細胞の分裂・増殖を抑える働きがあります。

　これが治療効果をあげるのですが、裏返せばそのまま副作用につながり、感染しやすくなります。

　ステロイド剤と同様に、治療効果と副作用のバランスをとって慎重に使わなければいけない薬剤です。

　代表的な免疫抑制剤とその副作用は概ね以下のようになっています。

免疫抑制剤	適用疾患	主な副作用
シクロホスファミド	全身性エリテマトーデス、全身性の血管炎	悪性腫瘍、出血性膀胱炎、骨髄障害、間質性肺炎・肺線維症、胎児催奇形、不妊症、消化管障害、脱毛
アザチオプリン	関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、筋炎、血管炎	骨髄障害、肝障害、消化管障害、胎児合併症
メソトレキサート	関節リウマチ、筋炎	骨髄障害、肝障害、消化管障害、間質性肺炎・肺線維症、胎児死亡
シクロスポリン	関節リウマチ、ステロイド抵抗性の腎炎	肝障害、腎障害、脂質異常、高血圧、多毛
ミゾリビン	関節リウマチ、ループス腎炎	骨髄障害

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